目的・概要

21世紀に入り、ゲノム解読は、応用を目指した生物学の中心的研究手段となった。個別化医療を目指した医学的な応用は言うまでもなく、例えば、ヒトの消化器系や、地球の特殊環境下で生息する微生物・細菌叢のゲノムから生態系を解明する研究が進んでいる。さらに、バイオマスエタノールを効率的に生産する微生物の設計も進んでいる。ゲノム解読は、医学に加え、健康・地球環境・エネルギー問題をも解決する手法として広がっている。このように研究が急速に進展している背景には「ゲノム情報ビックバン」と我々が名付けるゲノム解読スピードの革命的向上がある。ゲノム解読装置1台が1日に解読できる量は 2002年の200万塩基から2007年には 3〜5 億塩基となり、5年間で約 100 倍改善しコストは劇的に下がった。1分子計測技術が発展し、今後3年間でさらに約 1,000 倍改善し 2兆塩基に達する可能性もある。約30億塩基対のヒトゲノムの解読には17年間要したが、現在では約1ヶ月、3年後には10分程度になる見込みである。近い将来には難培養性生物のゲノム、発生段階の少量細胞中のゲノム修飾の状態も分子レベルで読み解けるであろう。

ゲノム情報ビックバン革命のなか、本プログラムでは、時代を先取りした情報生物学教育を幅広く展開し、世界トップレベルの教育研究拠点を形成することを目標とする。未曾有のゲノム情報ビックバンが進むなか、以下の3課題に取り組む。

・ 超高速ゲノム解読装置のパワーを活かす研究課題を適切に選ぶセンスを養う教育

・ 文献情報、遺伝子発現量、蛋白質構造、代謝/シグナル伝達パスウェイ、表現型等のデータを駆使できる、高度なバイオインフォマティクス・プログラミング教育

・ 多数の計算機を並列に動作させる高度な超並列プログラミング教育

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